最新のディーゼル車等から排出される粒子状物質(PM)は非常に少なくなりました。その一方で、粒子状物質の中でもナノ粒子と呼ばれる粒子の大きさが100nm(1千万分の1メートル)以下の粒子は、体内に入ると血液に取り込まれ体内を循環する危険性があり、特に危険であるとの指摘があります。ディーゼル車等から排出されるPMではこのナノ粒子の割合が高く、加えて現在の規制で用いられているフィルターにPMを捕集し重量を測定する方法は、小さく軽いナノ粒子に対する感度が非常に低いことが問題となっています。このような背景で欧州ではナノ粒子に高い感度を持つ粒子個数(PN)を導入しました。これは粒子の重さではなく、個数を測るためナノ粒子に高い感度を持つ一方で、計測手法としての問題点も残されています。そこで本業務では国連欧州委員会PMPワーキンググループで行われているPN測定に関する議論に参加すると共に、このような規制方法が日本の環境に適しているのか、また導入する場合の問題点等に関して調査を行っています。

フィルターに捕集された粒子状物質
重量計測と個数計測の対象粒子直径の違い