日本国内では、ディーゼル車の代替燃料としてバイオディーゼル燃料が一部で使用されています。バイオディーゼル燃料は空気中の二酸化炭素を吸収した植物から製造されているため地球温暖化の抑制に有効ですが、窒素酸化物と呼ばれる有害な排出ガスを従来の軽油使用時と比べて多く排出することが知られています。このため本研究では、最新のディーゼル車にバイオディーゼル燃料を使用した際に、窒素酸化物がどの程度多く排出されるか、その実態を把握すると共に、窒素酸化物の排出を抑制するための燃料およびエンジンの技術的な対策について研究しています。この成果を基に、バイオディーゼル燃料をディーゼル車に使用する際の技術的な指針について行政に提案していきます。

研究で使用している実験設備
様々なバイオディーゼル燃料の原料(左から菜種、大豆、パーム、廃食用油)