生体工学に基づく衝突試験法改善に関する研究

自動車の前面衝突や側面衝突時の乗員保護性能に関わる基準は,近年の交通事故における死傷者数低減に寄与してきました。一方、交通事故の過半数を占める乗員傷害について着目すると、後面からの衝突により乗員の頚部に軽度の傷害(鞭打ちなど)が発生しており、交通事故による負傷者数は依然として高い水準にあり深刻な状況です。

本研究では乗員保護性能に関わる基準拡充のため、死者数の低減のみならず、交通事故による負傷者数の低減を目指し、現行の試験法では想定していない衝突試験(後面衝突を含む)を行うことで、より効果的な自動車の安全基準策定に貢献することを目的としています。本研究を通じて、生体工学や事故実態に基づく知見を踏まえた試験手法及び安全基準を提言することで、交通事故による死傷者数の低減に貢献することができます。