車両後方ソナーにおける人検知の可能性調査

車両後方ソナーは、壁との距離を測定し、駐車時のドライバーへの単独事故予防支援を主目的として開発されている。本研究では、車両後方ソナーにおける人検知の可能性を検証することを目的とし、車両後方ソナーが装着されている車両を対象として調査を実施した。供試車両はセダン1車種、SUV3車種の計4車種とした。
 車両後方ソナーはセンターセンサー、コーナーセンサーがあるが、その仕様がISO 17386: 2010 (MALSO)で規定されている。そこでは、直径75 mm、 長さ1 mのパイプを使用し、センサーの検知範囲を検証している。本研究では、子供、大人女性、大人男性各1名の計3名を対象とし、比較対象としてパイプを使用した場合の検知範囲も調査した。実験を実施した結果、体格差にも依存するが車両後方ソナーは人も検知可能であることが明らかとなった。ただし、子供については、パイプの検知距離に対する人の検知距離の比は低いことから、カメラ等の事故予防支援技術も併せて補間していくことも必要な対策手段と考える。