当研究所の三好正太研究員が電気学会産業応用部門より部門優秀論文発表賞を授与されました。
優秀論文発表賞は、電気学会の産業応用部門に属する技術委員会(交通・電気鉄道等分野ごとに存在)が年に数回主催する研究発表会である研究会において、年間の若手発表者の優秀な発表を選出するものです。
列車運転において自動運転を導入するためには、現行と同等以上の安全性が求められています。自動運転や既に広く用いられている定位置停止制御(TASC)では、駅停止時の停止位置精度が重要です。鉄輪と鉄レールによる走行を行う鉄道は、降雨、降雪、落葉等の影響で、車輪・レール間の滑りやすさが大きく変化するため、固定の走行パターンを用いる制御では、停止位置精度や乗り心地にも影響が生じます。このような車輪が滑りやすく空転・滑走に至りやすい問題を解決するための列車運転制御方法として、反復学習を用いた制御が注目されており、同氏は、粘着特性の大きな変化に対応し、走行パターンを積極的に変化させる制御方法の提案を行いました。
この制御方法が、これまでの自動運転では実現困難であった列車運転の環境変化に対する柔軟性を獲得するうえで有効であることを示し、列車運転の安全性向上に寄与することが評価されたため、今回の受賞に至りました。
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