当研究所の松井靖浩上席研究員が日本機械学会交通・物流部門より業績賞を授与されました。
2023年12月01日
 当研究所の松井靖浩上席研究員が、令和5年11月30日に開催された日本機械学会第32回交通・物流部門大会(TRANSLOG2023)において、業績賞を授与されました。

 業績賞は、日本機械学会交通・物流部門において、学術的研究などを通じ交通物流技術の発展に顕著な業績を残した人物に対して授与されるものです。

 当研究所での分析により、車両後退時に低速度(10 km/h以下)で歩行者と衝突する事故が多く発生していることが判明したことから、同氏は、後退時に障害物を検知して警告音を発する車両後方ソナーは、物体だけでなく人も検知可能であることを実験により証明し、車両後方ソナーとカメラを組み合わせることにより、有効な事故防止手段となることを明らかにしました。
 この研究成果を基に、令和2年、自動車の安全・環境基準について議論する、国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において、全ての乗用車・貨物車等を対象に「後退時車両直後確認装置(車両後方ソナー、バックカメラ等)」の装備を義務化する国際基準(協定規則第158号)が制定されました。日本はこの規則を導入し、令和4年5月以降に販売される全ての新型車に本装置の装備を義務化しました。
 この国際基準策定により、車両後退時に発生する歩行者との衝突事故の減少が期待されることから、同氏の研究成果が評価され、今回の授賞に至りました。


              
                  <受賞記念講演の様子>                                     <松井靖浩上席研究員>


             
                                                        <受賞記念メダル>