松井主席研究員が日本機械学会関東支部の技術賞を授与されました。
2023年03月30日
 令和5年3月16日、日本機械学会関東支部第29期総会・講演会において、当研究所主席研究員の松井靖浩氏を主開発者として、東京都立大学の及川昌子氏、株式会社いすゞ中央研究所の反町一博氏、今西明氏、藤村武志氏を共同開発者とした技術賞が授与されました。

 日本機械学会関東支部では、関東支部賞を平成8年に創設し、技術賞は、関東支部地区の機械技術・機械工業の発展に貢献した個人・団体を表彰するものです。

 松井靖浩氏らが開発した技術は、日本国内における衝突被害軽減ブレーキ普及の一助になることを目指しています。大型貨物車・中型貨物車の衝突被害軽減ブレーキにおける速度低減量と歩行者の被害軽減効果の関係を事故分析により解析した結果、僅か10km/hでも衝突速度が低減すると歩行者死亡率が大幅に減少することを生体工学の視点から明らかにしました。
 国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)では、令和4年に走行速度20 km/h~60 km/hの大型貨物車及び中型貨物車を対象とした衝突被害軽減ブレーキシステムの速度低減量を定める国連規則を制定しました。この規則は、1) 車両走行速度20 km/hでは停止すること、2) 車両走行速度21 km/h~60 km/hでは、歩行者位置で最大約10 km/h減速することを求めています。日本はこの規則に基づき、令和5年1月より販売される大型貨物車及び中型貨物車の新型車両について、この要件の装備を義務化しました。
 松井靖浩氏らが開発した技術は、衝突被害軽減ブレーキシステムの要件義務化の意義を明確に示す根拠となり、先進安全技術の普及や発展に大きく貢献すると期待され、今回の授賞に至りました。 

       

               技術賞を授与された松井靖浩氏