自動車騒音に関する国際基準策定に当研究所職員が議長職でリード!
~後退時警報及び追加騒音規定に関する国際基準~
令和4年2月8日から11日にかけて、国際連合欧州経済委員会自動車基準世界フォーラム(WP29)
傘下の騒音・タイヤ専門家会議(GRBP)が開催され、以下の国際基準が承認されました。
・後退時警報(宝渦(ほうず)寛之主任研究員が後退時警報専門家会議(TFRWS)の議長)
・追加騒音規定(岡本和弘審査官が追加騒音規定専門家会議(ASEP IWG)の副議長)
概要
令和4年2月8日から11日にかけて、国際連合欧州経済委員会自動車基準世界フォーラム(WP29)傘下の騒音・タイヤ専門家会議(GRBP)が開催され、後退時警報(RWS※)及び追加騒音規定(ASEP※)に関する国際基準が承認されました。当研究所では、宝渦(ほうず)寛之主任研究員が後退時警報専門家会議(TFRWS※)の議長を務め、岡本和弘審査官が追加騒音規定専門家会議(ASEP IWG※)の副議長を務めるなど、これらの国際基準作りをリードし、承認に大きく貢献しました。なお、これらについては、本年6月のWP29にて策定される見込みです。
(※TFRWS:Task Force on Reverse Warning Sound issues,
ASEP IWG:Additional Sound Emission Provisions Informal Working Group)

図1 国際連合欧州経済委員会自動車基準世界フォーラム(WP29)の組織図
今回承認された国際基準
(1)後退時警報
車両後退時に警報音を発する後退時警報装置は、国内の中・大型車に任意で装着されています。今般、騒音・タイヤ専門家会議(GRBP)において、後退時警報を対象に、安全(認知性)と環境(受容性)を考慮した基準が承認されました。当該承認に向け、傘下の専門家会合である後退時警報専門家会議(TFRWS)では、当研究所の宝渦(ほうず)寛之主任研究員が議長として議論をリードし、新たな国際基準作りに貢献しました。

図2 後退時警報装置
(2)追加騒音規定
追加騒音規定とは、自動車における騒音試験(マイクの前を定められた加速度により、50km/hで走行)の試験条件から外れたエンジン回転数で走行する場合に、不適当な騒音の上昇を抑えることを目的として定められた国際基準であり、我が国でも適用されております。今回開催された騒音・タイヤ専門家会議(GRBP)では、現行の追加騒音規定の対象としている範囲(エンジン回転数、アクセル開度、速度条件の拡大等)をさらに拡大することにより、実走行における車両の騒音値を下げることを目的とする改定案が承認されました。当該承認に向け、傘下の専門家会合である追加騒音規定専門家会議(ASEP IWG)では、当研究所の岡本和弘審査官が副議長として議論をリードし、新たな国際基準作りに貢献しました。