松井靖浩主席研究員がSAEインターナショナルよりアーノルドシーゲル国際交通安全賞を授与されました
2014年4月8日、米国デトロイト市コボセンターで開催されたSAEインターナショナル(米国自動車技術会) 年次大会において、当研究所主席研究員の松井靖浩氏がアーノルドシーゲル国際交通安全賞を受賞しました。
同賞は自動車安全技術に関する研究において革新的・顕著な功績を挙げたアーノルドシーゲル博士の功績を称え1987年にSAEの賞の一つとして設けられたもので、衝突安全、生体工学、傷害低減のための車両設計などの分野で優れた業績を挙げた人へ授与されます。設立以来の受賞者は17人で、松井主席研究員は米国人以外としては3人目となります。
松井主席研究員は、交通事故などによる衝撃により乗員や歩行者の頭蓋骨・脳や内臓組織に発生する傷害を研究する生体工学 (Biomechanics)の分野において、基礎的な研究に従事してきました。乗員の頭部・腹部の傷害発生メカニズムの解明、歩行者腰部・脚部の傷害基準値を導出しました。同傷害基準値は、交通安全評価に幅広く活用されており、例えば歩行者脚部の傷害基準値については、歩行者脚部に対するバンパーの安全性として日欧の安全基準や自動車アセスメントで採用されています。 また、松井主席研究員の貢献により車両と歩行者の衝突時において歩行者頭部に発生する傷害を評価するための頭部模型(インパクタ)は世界に先駆け日本が開発しました。 近年は、高齢歩行者の認知・判断特性や歩行挙動、自転車乗員における行動特性分析手法の開発など新しい研究にも取り組んでおります。このような交通安全に関する幅広い功績が世界的にも高く評価され、この度の受賞となりました。
受賞式典では、アーノルド シーゲル博士ならびにSAE会長のダニエル ハンコック氏よりアーノルドシーゲル国際交通安全賞が授与されました。
アーノルドシーゲル国際交通安全賞(Arnold W. Siegel International Transportation Safety Award)