鉄道システムにおける安全性の数量的評価手法と事故発生予測モデルに関する研究

研究の目的と概要

鉄道システムは安全性が高いと言われているが、一旦事故を生じると社会への影響は計り知れないものがある。また、従来は事故が起きてから原因を究明し、対策を生じるという対応のため、鉄道システム全体の安全性の議論がなされてこなかった面がある。そこで、リスク分析等を行うことにより鉄道システムにおける安全性を事前に定量的に評価し、トータルシステムとしての安全性を確保する方策を提言可能なモデルを開発するとともに、過去の事故原因分析、事故発生メカニズム分析等を通して事故発生予測モデルの検討を行い、安全面から見てバランスの取れた鉄道システムと、より安全性の高い鉄道システムの構築を可能とする。

期待される効果

安全性の定量的評価が可能となることより、安全面からバランスの取れた合理的な鉄道システム設計が可能となり、システム全体としての安全度向上に寄与できる。また、事故発生要因、発生メカニズムを事前に明らかにし、事故発生の確率や影響度を定量的に評価可能となることより、事故の事前予想がある程度可能となり、大事故を未然に防ぐことが可能となる。さらに、こうした手法論をマニュアル化することにより、事故発生時においても、適切な処理、対応が可能となる。