混合気の着火性制御による高圧縮比内燃機関開発に関する基礎的研究
(燃料改質による着火時期抑制物質生成法の確立)

研究の目的と概要

日本は京都議定書におけるCO2削減目標の達成が困難な状況にあります。その中で運輸部門では、自動車の高効率化による排出削減が重要であり、CO2排出にもっとも大きく寄与している動力源はガソリン機関です。このガソリン機関ではノッキングのため圧縮比が10程度に制限され、熱効率は30%に満たないのが現状であり、本研究ではこのガソリン機関の熱効率改善を行います。

期待される効果

本研究では、自着火に強い影響を与える添加物により燃料の着火性を制御する、高効率な火花着火内燃機関の試作、評価を行い、熱効率40%超を目指します。一般的に内燃機関の熱効率は圧縮比の関数となり、圧縮比15程度で最大になります。しかしガソリン機関ではノッキングが発生するため圧縮比が10程度となっています。本研究では、燃料を熱分解式改質器を用いて、より抗ノック性の高い燃料とすることにより、ノッキングの抑制、高圧縮比化を目指します。本研究は富山大学、交通研、富士重工の3者が参加した鉄道運輸試験機構の基礎的研究推進制度で行われ、その中で交通研は燃料改質器の試作、評価を担当しました。