ジメチルエーテル(DME)自動車の研究開発と実用化促進

研究期間

平成17年度~平成20年度(4カ年)

研究スタッフ

佐藤 由雄(チーム長)、野内 忠則、川村 淳浩、及川 洋

研究の背景及び目的

PMとNOxの排出がほぼゼロで、現行のディーゼル車並みの実用性も兼ね備えたトラックの実用化が望まれています。ここでは軽油に代わるクリーン燃料としてジメチルエーテル(DME)を従来のディーゼル自動車に適用し、DME供給噴射システム等の技術開発、エンジン・車両の開発試作、性能評価及び車両の実証走行試験を通じてDME自動車の実用化を促進するとともにDME自動車の技術基準案等策定の支援業務を実施しています。

研究の概要と期待される成果など

DMEはLPガスと同様に常温・低圧で液化できるため、従来のディーゼル噴射技術をベースにDME噴射システムを開発しました。エンジン適用試験の結果、PMはほぼゼロ、NOxは2005年の重量車排出ガス規制値の約1/10という世界トップレベルの排出ガス性能を達成しました。また、世界に先駆け小・中・大型トラック及び道路散水車等を開発試作しこれらを用いて公道走行試験を実施し、主として燃料供給・噴射システムに関わる耐久性・信頼性,航続距離,燃費などの実用性能等の評価を行い実用化に向けた改良開発等を行っています。DMEは豊富な資源(天然ガス,石炭及び廃棄物利用のバイオマスなど)から製造できる合成燃料であり、近年の「自動車用燃料に関わる資源・環境問題」の高まりのなかで石油に代わり安定した次世代の輸送用燃料確保の取り組みとして期待されています。