交通安全環境研究所 National Traffic Safety and Environment Laboratory

Working Group Photometryが交通研で開催されました

2010年12月24日

Working Group Photometryが交通研で開催されました

2010年11月15日から3日間Working Group Photometry(灯火器測光審査技術会議)が交通研の主催で開催されました。WG Photometryは自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の灯火器専門家会議(GRE)のうち、主に欧州の試験・審査機関で構成する会合で、ドイツカールスルーエ大学のカールマンツ教授が長年議長を務めています。

会合では、灯火器の測定方法に関する技術的な議論や審査機関として製品を評価する際の基準の解釈について意見交換を行い、基準改正案の作成を行っています。また、GREから新技術の評価法や適切な基準値の検討について依頼されることも多く、実験に基づいて専門家としての立場から報告を行っています。

WG Photometryは年2回開催されており、交通研からは2年前より塚田主席研究員と石井自動車審査官が参加しています。これまで欧州域内の審査機関で開催されていましたが、今回は初めてアジア地域で開催し、議長のドイツをはじめ、イギリス、オランダ、スペイン、スウェーデン、スロベニアからの参加がありました。

交通研へは17日にテクニカルツアーを兼ねて訪問、灯火暗室などの施設紹介、見学後は所内で会議を行いました。これまで当研究所で行ってきた交通安全に関する研究を発表したところ、話題は、歩行者事故の多い日本の交通事故事情やその対策にもおよび、欧州での対策との比較を行うなど有意義なものとなりました。

WG Photometryとしての議論はLEDを使った自動車の前照灯に関する議論が中心でした。LEDは消費電力が少なく、温暖化対応として有望な技術ですが、1つのLED光源だけで十分な明るさを得ることができないため、複数のLED光源を使って1つの灯火器(多光源式灯火器)を構成しています。このため、これまでの測定方法は使えず、新しい測定法を開発・導入する必要があります。複数の光源のうち1つの光源が切れた場合の安全性や交換性を担保するための基準が必要となります。また、LEDの開発のスピードが速いため、現在の基準も随時更新していく必要もあります。各国の審査機関で経験した事例を報告し合いながら、具体的な基準改正案を作成しました。

その他、ロービーム(すれ違い前照灯)のカットオフラインに見られる著しい色収差や、熱試験に適合しなかった前照灯の例等も報告され、このような灯火に対する対応方法、今後の検討事項などの整理が行われました。

次回は2011年4月にスロベニアで開催される予定です。

集合写真

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施設の紹介

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