交通安全環境研究所 National Traffic Safety and Environment Laboratory

STAPPにおける研究成果の発表について

2010年11月17日

松井主席研究員がSTAPP-Stapp Car Crash Conferenceで発表しました

平成22年11月3日~5日、米国アリゾナ州スコッツデールのウェスティン・カーランド・リゾート アンドスパ会議場で行われた第54回STAPP-Stapp Car Crash Conference(スタップ自動車衝突会議)において、自動車安全研究領域の松井靖浩主席研究員が論文発表を行いました。発表題目は「神経細胞レベルにおける頭部外傷評価指標」に関する研究で、車の衝突などで脳が衝撃を受けた場合の脳細胞の損傷メカニズムに関して新たな知見を提示するものです。これは、衝突ダミーの精度向上など安全基準の改善にむけて平成20年から21年まで取り組んだ特別研究「生体工学に基づく衝突試験法改善のための研究」の成果を取りまとめたもので、日本大学西本哲也准教授、元日本医科大学阪本雄一郎医師(現佐賀大学医学部教授)との共同研究により行われたものです。

我が国では、年間4,914人(平成21年)の方が交通事故で死亡しており、その大半は頭部が主損傷部位です。本研究は、交通事故により死亡・重傷に至る自動車の乗員や歩行者を含めた、「将来の頭部傷害基準」を作成する為の基礎資料となる見込みです。

STAPP学会は衝突安全の分野では世界でもっとも水準が高い学会であり、米国の空軍大佐であり航空医学研究者であるJohn Paul Stapp(ジョン・ポール・スタップ)氏に由来します。大佐は戦闘機の脱出時の被害を軽減するために、自身がボランティアとなりロケットスレッド実験を遂行して、人間の耐性値を初めて実験的に求めています。「人間の衝撃耐性」という新しい研究分野を開拓した功績にちなみ、54年前にSTAPP学会は設立されました。

Stapp Conferenceの論文は査読付き学術ジャーナルであるSTAPP CAR CRASH JOURNAL(スタップ自動車衝突ジャーナル)に直接掲載されますが、採択率5割以下といわれるほど審査が厳しいことで知られています。また、掲載論文はSTAPP学会においての口頭発表が義務づけられています。本年は米国から14件、カナダ、フランス、日本よりそれぞれ1件の計17件の論文が発表されました。

Stapp Car Crash Conferenceホームページ : http://www.stapp.org/

STAPP学会の会場

STAPP学会の会場
ウェスティン・カーランド・リゾート アンド スパ(米国)

STAPP CAR CRASH JOURNAL

STAPP CAR CRASH JOURNAL
(掲載ジャーナル)